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ギャンブル依存の実話

【第8話】友人とのお金の貸し借りでまず返ってくるとは思わないでください

更新日:

友人とのお金の貸し借りはお金は返ってこないお金が回らずどうすることも出来ない僕は、親友の川島に電話して工面してもらおうと考えた。

持つべきものは親友とでも言うのでしょうか?本当に困った時には本当に親しい人にしか相談できませんよね…。

ただ、頼れる人が他にいなかった…それが正直なところです。

 

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「弱みに付け込み」この前お金貸したから俺にも貸してくれるよね?

一生のお願い お金貸して川島にお金の余裕がないことくらい僕も十分理解していた。

それでも連絡をしたのは、以前お金の工面をしたことがあったから。友人として最低の行為だが、背に腹は代えられない。

「もしもし、元気?」

「元気なわけないだろ?どうした?」

「お金貸して欲しいんだけど…」

「貸すお金なんてないよ」

「どうしても今週中に返済があるから頼むわ」

「いやいや無理だって」

「…前苦しい時、金融屋に借りてまで貸したやん」

「あの時はすまなかった…いくら欲しいの?」

「最低5万ないとヤバい…」

「俺も限度額いっぱい借りてるから審査通るか分かんないよ」

「頼む。来週はお金返せるから」

「分かった。借りれたら連絡するよ」

とんでもない友人関係です…。

お互い良い関係じゃないのは百も承知。お互いお金を借りないと生きていけないそんなヤバいレベルにまで到達していたのです。

しかし、あまり期待していなかった答えが返ってきた。何とか融資してもらえたと川島から連絡があったのです。

「なんとか10万借りれたから5万だったよね?」

「ごめん、生活費ないから6万でも大丈夫?」

「6万かぁ…分かった。午後までには振り込むよ」

「ごめん、悪いな」

なんとか川島はお金を作ってくれ無事にお金を借りることが出来たのです。

ただ、川島に借りたお金を返せる宛なんて最初っからなかった…。と言うよりも、金融屋に返済するのが精一杯だった。

「お金は貸したら返ってこない」

自分の今の状況を考えると、本当にその通りだと思います。お金は貸すものじゃなく、あげるものだと思っておいた方が無難ですよ。

 

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普通に5、6万と言ったら大金です。これだけ自由に使えるお金があれば旅行にも行ける、美味しい物も食べられる、それほどの大金です。

ただ、僕には借金があり、今週も返済が控えています。

冷静に考えると馬鹿らしくもなり、自分が情けなくも感じました。早くこの状況から抜け出して普通の生活がしたいとも思いました。

すると、何を血迷ったのか?僕はパチンコ店に足を運んだのでした。

「爆連すれば、この地獄から抜け出せる…」

このお金は川島から借りた大事な大事なお金…、ギャンブルに注ぎ込むなんてことは決して許されるはずはありません。しかし、もう理性で抑えることは出来ませんでした。

「もう勝って増やすしかない…これが最後の大勝負だになるだろう…」

次の日、開店前から並んで全身全霊をかけお金を増やしに行った。

勝負機種はパルサー。ノーマルタイプのスロットで、投資額を抑えるながらも強力な連チャンが期待できる。

「もし調子が悪かったら途中で止めよう…」

少し弱きな気持ちはあったが、最近負けが続いていたから…と何の根拠もなく何だか今日は勝てる気がしていた。

開店していざ勝負。

投資金額4,000円で初当たり♪幸先よくBIGからスタート!追い銭することなく、閉店近くまで粘り倒し4,500枚の交換で約85,000円の大勝利(>_<)

本当に今日はついていた。崖っぷちからの一発逆転勝利。脳内麻薬のように、これだからギャンブルは止められない。

最近まともにご飯も食べれていなかったので、豪華なコンビニ弁当を帰りに買って食べた。大勝して食べるご飯の味は格別です。

「やっぱり荒いAT機を打たずにコツコツとノーマルタイプを打てば勝てるわ」

なぜ勝てたのか?これまでなぜ負けていたのか?色んなことを一人で分析しながら、もう頭の中では明日何を打とうかと考えていた。

お金に困っている時ほど、連続で勝ちたい欲求を抑えることが出来なくなってしまうもの。次の日も開店前の朝一から並んで、打ちに行った。

昨日と同じくパルサー。

そして、見事に45,000円勝ち♪

勝ったお金のほんの一部を金融屋に返済し、残りは翌日以降の生活費と軍資金に回すことにした。川島へは来週支払うと言ったので、まだ返さなくても大丈夫だと思った。

手元に10万円以上の現金があると、苦しい状況でもなんとかなる気がした。お金があるだけで、こんなにも元気になるなんて、久しぶりに生きる力がわいてきた。

「明日はもっと大勝ち出来る機種を打とう…」

当時はギャンブル性の高い機種が色々あったが、特にコイツは凄まじいポテンシャルがあった。

“ (初代)ミリオンゴッド ”

一撃5,000枚出るモンスターマシンは多くの依存者を生むことに…。

「今日大勝ちして、借金を減らそう」

そう意気込んでいざ勝負!

しかし、思うように当たりが中々来ない…3万円突っ込んでやっと初当たり、単発…2万円投資…単発。

「なんだか今日は調子が悪いなぁ…」

周りを見ると、ゴッド揃いですでにドル箱を積み上げている人もいた。このあとの自分に期待して更にお金を入れていく。

「まだまだこれから波が来る」

そう信じて強気に攻めた。

しかし…投資すれどもすれども全く連チャンしてくれない…。

「この野郎、何で俺の台だけ出ぇへんの?ほんまに壊れてんちゃう?」

何度も両替機で両替をしていると、万札を崩した千円札が紙切れのように見えてきた。感覚が麻痺していくのを感じた。

10万円を超えたあたりで、心が折れた。

「今日はほんまについてないわ…」

しょうがなく撤退することに決め店をあとにする。

「財布の中に10万以上あったのにもう空っぽになってる…」

ここ2日くらい勝っていたのが夢のよう。これがギャンブルの本来の姿…もうあとがないというのに…。

ただ、これでは終われない…。

 

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「やっぱりAT機は怖いな。コツコツ勝てるノーマルタイプが良いわ」

昨日の反省から、今日は相性が良いパルサーで勝負。しかし…レギュラー…単発…ハマって…単発。

全く見せ場を作れず、台移動も頻繁にし気付けば、あっと言う間に全財産、残すところあと5000円まで来た。

「ヤバいぞ…他の台にしようかな…」

何を血迷ったのか、気付けば一発勝負のミリオンゴッドに座っていた。

この時、言葉には出来ない恐怖を感じながら「お願いします神様、仏様…」もう祈ることしか出来なかった。

しかし、ものの10分でお金が尽きた。

「どうしよう…負けてしまった…」

僕は負ける時のお決まりパターンそのものをやってしまっていたのです。

財布を確認すると、小銭しか残っていなかった。喉が渇いたので自販機でコーヒーを買って、肩を落としながら自宅に帰った。

頼みの川島にも返済してないのでもうお願いすることも出来ない…。

一人孤独に暗い部屋で色々考えながら、

「こうやって人生は終わっていくのか…」

そんな暗いことばかり考えていた。ただそんなことを考えても状況は変わらなかった。

「そうだ。親にお願いしてみよう」

僕は大学を2年も留年し、親には相当苦労をかけていました。

親の仕事も年々不況の煽りを受けて収入も減っていたのです。学費も4年次くらいから、延納手続きをして何とか支払う状況で親戚からも借りていたと聞いていました。

そんな親にお金のことでさらに悩ませたくはなかったのですが、もうどうすることも出来ないので連絡することにしました。

「ごめん、財布を落としてしまって…生活費ないから少しだけ送って欲しい」

電話の直前まで正直に借金のことを話そうと思っていました。でもやっぱり出来なかった…。

決してお金に余裕があるわけじゃないけど、3万だけ用立ててくれました。本当に心が張り裂けそうになり、涙があふれてきました。

「絶対にもうギャンブルは止めよう…」

そう心に誓いました。

しかし、現実は待ってはくれません。大家がアパートを訪ねてきた。

「ピンポーン…」

そうです。家賃を今月分支払ってなかったのです。

「すいません。もう少し待ってもらえませんか?今月末には今月分と来月分払いますんで…」

これまで滞納したことがなかったので、信用してもらい今月末に払うことで納得してもらいました。

ただ、支払える宛なんてありません。

そんな時に、また僕の中で悪い虫が湧いてきたのです。

「勝負して勝てれば何とかなるかも…」

「いやでも負けたらどうする?」

「じゃあ、少しだけ勝負すれば?」

「一度勝負したら止まらないよ…」

自分の中で色んな葛藤が駆け巡りました。気付けば、翌朝スロットを打っていました。

そして、数時間でお金が無くなり、帰宅することに…。

「もう終わったな…」

もう明日のことすら考えることが出来なくなっていました。この時初めて、死を意識しました。

「どうやって楽になろう…」

毎日毎日借金返済のことや生活費のこと、ギャンブルで負け続けていること、何もかも嫌になってしまったのです。

全ては自分が悪いのです。家にいると悪いことばかり考えるので、少し外を散歩することにしました。

家の近くには駅があり、駅では足早に人が歩いています。

「こんな都会に俺は何をしに来たんだろう…」

色んな想いが駆け巡りました。

どれくらい歩いたでしょうか。何も考えず1時間くらいは歩いていたでしょうか。

線路沿いを歩いていると、立入防止柵にある“ 1枚の張り紙 ”が飛び込んできました。

そこには、携帯番号が書いてあります。

続きます…

(第8話終わり。第9話へ続きます)

【第9話】ギャンブル依存の末路・闇金融に手を出した依存者の実体験を赤裸々告白

【第7話】クレジットカードのショッピング枠を現金化するくらいに追い詰められていた 

【第1話】浪人生の分際で彼女のためにカードを作って破滅した友人

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